別れ・・・。そして・・・。
喧嘩をして部屋を飛び出した自分。仕事が終わり気を重くしながら部屋に戻るとポストには部屋の鍵が。
終わってしまったなぁ。と煙草に火をつけ彼女との時間を思い出しつつ部屋の中を見るといつも以上に部屋の中が奇麗になっているではありませんか。
サッシのサンまで奇麗に拭き取った跡があり、ちりひとつ落ちてないではありませんか?日ごろ部屋の掃除とかは自分でしっかりとやっており、彼女にへやの掃除をやらせたことなどなかったのに、今日こんな日に限って・・・。出ないとは思いましたが
彼女の携帯に電話を入れてみました。
「もしもし、俺だけど・・・。」
「なんですか?鍵はポストに入れておきましたよ」
「先ずは、お礼を。部屋の掃除してくれてありがとう。でも何で今日掃除を?」
「・・・今まで楽しく過ごさせてもらった部屋だから。最後くらいは奇麗にしようと思って・・・・。部屋の中、勝手に触ってごめんなさい。それと今までありがとう。そして我慢ばかりさせてごめんね。」
「・・・・・あっ、俺らは終わったけど、仕事は明日からも続けてくれな」
「貴方には関係ないでしょ」ガチャ!プープー。
奇麗に別れることなんてやっぱりできませんね。どうしても、けんか別れになってしまいますね。
翌朝、出勤すると彼女の姿が。ほっとする自分。朝の挨拶もそっけなく笑顔すら見せない彼女。そりゃそうだわなぁ。昨日の今日だもんなぁ。でも、仕事に出てきてくれてよかったと胸をなでおろしました。その夜に彼女の母親に電話を入れ、二人の関係が終わったことの報告と、お詫びの電話を入れました。
その後はひたすら仕事に没頭する日々。
別れから一カ月たったころ、彼女から電話が。
「もしもし、私です。誠に勝手ですが今月いっぱいで辞めさせていただけないでしょうか?なんか、疲れちゃいました。母親も自分のところにおいでって言ってくれてますし。」
なんかめちゃくちゃショックでした。彼女がいなくなっちゃう。自分から別れておいてなんて身勝手なことをってお思いになられる方もいらっしゃるでしょう。でも、別れたあの日、部屋の掃除をしてくれた彼女。チリひとつないようにとことんまで拭き掃除をしてくれた彼女。わたしの頭の中から、彼女のことが抜けるってことなく日々、大きく膨らんでいっていたのでした。
「もう少し考えなおしてみないか?向こうに行ってもなかなか仕事見つからないだろ?仕事が見つかってからでもいいんじゃないか?」
自分でも恥ずかしくなるくらい必死に彼女を引き留める口実を話しました。
「毎日辛いんです。貴方の姿を見なければいけないから。だって触れることすらできないんですよ。あくまで上司と部下としての関係でしかないんですよ。こんな日々が続くのは辛いんです!」
あんな別れ方をしたにもかかわらず、まだ私のことを思い続けてくれていた彼女。
さすがに、覚悟決めました。
「わかった。でも3カ月したら必ず、必ず迎えに行くから。待ってて欲しい。」
「・・・・。」
「聞いてる?聞こえたら返事してよ」
「・・・・私待つから。貴方が迎えに来てくれるまで待ってる」
こうして、再開を誓い合った二人なのでした。
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